【お酒コラム】 #1

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今回よりいくつかコラム・ブログが開始したポトマックWebサイトですが、こちらでは飲食の『飲』の部分、お酒についての四方山話を掲載して参ります。

 

飲食を基本とするポトマックですから、「食」はもとより「飲」についても多数のツワモノが控えておりまして。彼らに、様々なお酒に関するウンチク、お酒への愛、はたまた皆様の為になるお話なども綴っていってもらう予定でございます。

 

という訳で第1回は、ポトマックの飲み食いご意見番、中塚総料理長に登場いただきまして、ざっくばらんなインタビューから始めさせていただきます。…ちょっとざっくばらんすぎたかもしれません…。

 

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01―どうですか、飲んでますか最近。

 

 

いや~、最近はそんなに。僕、家では飲まへんしなぁ。

 

 

―え~! ちょっとちょっと、これお酒のコラム1発目なんですから、空気読んでくださいよ~。

 

 

あ、そうか。

 

 

―でも、お酒好きなのは間違いないですし、きっとその「そんなに」が一般レベルでは「けっこう」ぐらいなんでしょうね。

 

 

そんなことないで。今週も飲んでないし(注:インタビュー時は木曜日)。

 

 

―………まぁいいです。今回はこのコラムスタートにあたって、お酒全般の話をざっくばらんにさせてもらおうと思ってるんですけど、まずは中塚シェフ個人では、好きなお酒って何になるんですか?

 

 

そやなぁ、甘いお酒…カクテル系以外は何でも飲むけど…。選ぶとしたらワインか日本酒かな。醸造酒が好きってことなんかな?

焼酎とかの蒸留酒は、お酒自体に味があんまりないでしょ。身体のこと考えて一時期焼酎を飲んでたんやけどね(笑)。

 

 

―なるほどですね。とはいえ、飲食の現場におられるといろんなお酒を飲んでこられたと思いますけど、これまでで「これは!」みたいなお酒ってありました?

 

 

それはやっぱり、フランスで飲んだワインかなぁ。

辻調のフランス校におった頃に、初代校長の辻静雄先生と一緒にフランスのシャトーで食事会をするっていうのがあって。

その食事は先生が作ってくれて、それだけでもすごいんやけど、2品目のフォアグラテリーヌに合わせてワインを…校長の秘蔵のワインを出してくれるわけ。

 

 

―それは贅沢の極みですね。

 

 

シャトーディケム。これは1973年のもの

シャトーディケム。これは1973年のもの

それが『シャトーディケム』っていう最高級の甘口白ワイン。貴腐ワインかな。当時が1981とか82年くらいやから…たぶん1950年代前後のヴィンテージ。もうこれが宝石のようで…何て表現したらいいかわからんくらい。こんな飲み物があるんや、ワインでこんな味が出せるんやっていう衝撃の体験やったね。

 

 

―全然想像つかないです(笑)。

 

 

見た目もすごい…輝きがね、何とも言えんゴールドで。トロトロで。もうあんなワイン飲むことはないやろなぁ…。

 

 

―はぁ~…。じゃ、日本酒でも同じように「すごい」のありました?

 

 

僕ねえ、日本酒ちゃんと飲みだしたのって30過ぎてからなんですよ。

その頃にソムリエさんと一緒にワインビストロみたいな店で仕事しててね。カウンターある店やったんで、日本酒も置くっていうことになって、そこから日本酒の勉強しだした感じかな。

 

 

―意外にスタート遅いんですね。

 

 

そやねん。で、そのお店で数銘柄出したんやけど、当時その中でインパクトあったのが『上善水如』と『白鷺の城』の2つ。

『上善水如』は、淡麗辛口のはしりで流行ったから知ってる人も多いと思うけど、それまでの日本酒とは全然違う、雪解け水のような、ワインのような…瓶も透明で白いラベルで、日本酒の感覚をコロッと変えたような存在ですね。

 

 

―あれは僕も知ってます。飲みやすすぎて、酔っ払っちゃうんですよね(笑)。

 

 

himejiで、「白鷺の城」は名前の通り姫路のお酒で、姫路城の別名を名前に取ってるんやけどね。

それまで吟醸酒って言うてもイマイチわからんかったんやけどあれの大吟醸を飲んだ時に「あぁ、これが吟醸か」っていうのを教えてもらったお酒。しっかり味があって、華やかで…それこそ白鷺がフワッと羽根を広げたようなね。カッコよく言えば(笑)。

 

 

―いや、わかりやすいです(笑)。というか、そのソムリエさんのセレクトは確かだったんですね。やっぱり、ワインがわかる人は、日本酒にも通じてるってことなんですかね。

 

 

というかね、日本のソムリエさんは日本酒もわかってないとアカンよね。やっぱり自国のお酒やし。

ある有名なソムリエさんも言われてたんやけど、日本各地にソムリエがおられるわけやけど、ワインだけでなく地元とか出身地のお酒をアピールしたり伝えたりするのもこれからの課題や、っていう話やったね。

 

 

―そう言われれば確かに。

 

 

最近は「きき酒師」っていう日本酒のソムリエ的な認定制度とかもできて、普及の活動とかもされてきてるけど、一般的にはまだまだ飲まれてない。

やっぱり、そもそも日本人が自分の国のお酒のことをもっと知らんといかんのちゃうかなと思うな。お客さんも、知らんから飲まないっていうのは大きいはずやからね。

 

 

東荘―少し前にリニューアルオープンした和の店「東荘」では、どんな日本酒を出してるんですか?

 

 

流行りというか、日本酒が好きな方にもそれなりに「お、これあるんや、さすがやね」って言ってもらえるようなお酒を置いていってるよ。

ただ、美味しいお酒ってホンマにたくさんあるんやけど、全然聞いたことない銘柄を置いてもなかなか飲んでもらいにくいでしょ。やっぱり、お酒としても商売上も(笑)飲んでもらってナンボやから、まずはそこからね。

 

 

―大多数のお客さんはマニアックな酒飲みってわけじゃないですしね。

 

 

うん、ポトマックの草創期の頃に店で出すワインを選ぶ時も、味はもちろんなんやけど、「あ、これ知ってる」とか「なんか聞いたことある」っていう分かりやすさはポイントやったかな。

ポトマックは日本酒を出す店自体が少ないから、ミーハーなくらいのセレクトで(笑)。

 

 

―日本酒ついでで全然違う話なんですけど、料理に使うお酒って、良い酒を使ってもあんまり意味ないんですかね?

 

 

意味ないし、単にもったいないね。高い日本酒…吟醸酒って、味ももちろんやけど華やかな香りを出すための作り方をしたものやから、それを料理に使って熱してしまうと…

 

 

―香りは飛びますね(笑)。なるほど。

 

 

だから、お酒を変えたからといって、料理の味が変わるということはそんなにないねん。

 

ただ、ワインはまた違うんやけどね。まぁ、高いワインを使えば美味しくなるということではないけど、料理によって使い分ける。赤ワインのきれいな色を出したいソースにはきれいな赤ワインを使うとか。味に深みを出したい煮込みとかには深い味のワインを使うっていう感じやね。

日本酒と違って、ワインはタイプを変えると料理の味もテキメンに変わるね。

 

 

―そうなんですね。

 

 

ワインは、料理との相性を「マリアージュ」って言うでしょ。身も蓋もないことを言うと、あれって、食べる時に飲むワインと同じワインを料理に使ったら、それが一番やねん。

 

 

―ははは。そうか~。考えてみれば、そりゃそうですよね。

 

 

まぁ、まずそんな贅沢なこと出来んけどね。

 

 

―ですよね(笑)。

さて、色々興味深いお話ありがとうございました。たぶんまだまだ話のタネはお持ちだと思いますが、今日はこのへんで…。また折りをみて聞かせていただきたいと思います。

またこんど美味しいお酒飲みに連れてってくださいね。

 

 

そやから、あんまり飲まへんて言うてるやん。

 

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そんな訳で、次回よりポトマックのお酒のプロフェッショナルたちによるお酒のお話、連載開始いたします。

ご期待くださいませ。

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