【お酒コラム】 #4
 シニアソムリエのつぶやき

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はじめまして。
大阪・阪急うめだ本店にある『トラットリア アル・ポンピエーレ』のシニアソムリエ(年老いたソムリエ)藤井です。
 
ソムリエになって4半世紀、バブルやらリーマンショックなどたくさんの時代を色々なワイン(酒)と共に過ごしてきました。
本来なら調理師学校を卒業してフレンチのシェフになっているはずでした(夢)。しかし、レストランでのBarへの研修に行ったのが運の尽き。気が付けばどっぷりと酒の世界にハマってしまい、今に至ります。こんなはずでは…(笑)。
 
 
研修時代はウィスキー、ブランデー、リキュールと今までに見たことのないものばかり。新しい事尽くしで、当然お客様も僕より人生経験がある方々。僕にとってこの研修期間は戦いでした。
 
初めての僕のBarでの対戦相手(お客様)というのが、なんと元進駐軍のバーテンダー。この方は出されたお酒が少しでも気にくわないと全く手をつけないということで有名でした。
 
1回戦。意気揚々とその時の僕にとっての最高のマティーニを作り、対戦相手の前に差し出したところ…ひと口飲んでBarのチーフに「いつもの頼む」とグラスを僕の手元に返されてしまいました。その次の瞬間、チーフは僕が作ったマティーニをシンクの中へ。これ以上ないくらいの完敗です。
その後、奮戦あえなく2連敗を喫し、迎えた4回戦。その日はチーフが休みで逃げ道なし。ダメ元で自分のイメージでマティーニに挑戦!!いつもより時間をかけました。そしてグラスを対戦相手のもとへ…。
グラスを手にとり、2口、3口。
そして「稔君(僕のこと)、だいぶんマティーニがわかってきたみたいだね」と一言。
時間にして5~10分。勝ったというより、やっと土俵に上がらせてもらえたという感じでした。
 
Martini 
 
 
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☆ちょっと豆知識~たかがマティーニ、されどマティーニ☆
 

そのマティーニというカクテル。ご存知の方も多いかもしれませんが、ベルモット(薬草のリキュール)とジンとをミキシンググラスで混ぜ合わせ、飾りにオリーブとレモンピールを絞ったものです。
文豪ヘミングウェイはジンとベルモットの割合が15対1の超ドライなマティーニが好みだったとか、イギリス首相のチャーチルに至ってはベルモットの瓶を見ながらジンを飲んで「エキストラドライマティーニ」と言っていたとか、マティーニについての逸話は多く残されています。
そんな愛されるカクテル、マティーニ。未飲の方は一度お試しを。
 
 
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さて、本編に戻りましょう。
Barの研修を終えた僕は、レストランに移動し、料理を運ぶ(コミ ド ラン)という仕事をスタートさせました。
 
ある日、ディナーでいつものように料理を運んでいるとお客様からお呼びの声。「このワインくれる?」とワインリストを指さされました。忘れもしません、シャトーマルゴー1976年(当時78,000円)。
訳も分からず先輩に「このワインオーダーされました!」と伝えると「お客様にもう一度確認してこい」とのこと。恐る恐る確認しにいくと「とりあえずはやく開けて!!」と。
焦りに焦り、すぐに開栓しました。そのお客様はワインを半分くらい飲んだ後僕に「これを飲んで勉強しなさい」と言葉を残して帰られました。
その頃は、こんな「粋」なお客様も多い時代でしたね。
 
 
他にもびっくりするようなエピソードはたくさんありましたが、これ以上続けるとお酒のコラムというより僕の思い出話集になってしまいそうなので…もしご要望がありましたらお店にお越しいただいて、お話しさせていただければと思います(笑)。
 
 
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ではここからは『トラットリア アル・ポンピエーレ』のワインのお話を。
当店では、グラスワインを白7種、赤6種、スパーグリング2種と豊富に取り揃えています。
料理に合わせて色んな飲み方ができますが、流れとしては、乾杯(食前酒)にはスパークリング、そのあとは白と赤を組み合わせて…というのが一般的でしょうか。
また、デカンタ(グラス3杯…ハーフボトル程度の量)でのサービスも行っていますので、最初にグラスで飲まれてお気に召したものをデカンタで。3~4名様でお越しなら皆様で少しづつなど、様々にお楽しみいただきたいと思っています。
 
それぞれの違いをしっかりご説明出来るよう、スタッフも頑張ってテイスティングして味を覚え、出来る限り自分の言葉で伝えられるようにしていますので、ご来店時には質問してみてください。
 
wine
 
また、ワインリスト(ボトル)については、イタリア『トラットリア アル・ポンピエーレ』本店のあるヴェローナのワインリストをもとに、実際に現地で学んできた松井シェフからリクエストを受けたものになっています。
 
そのヴェローナのワインリストには、イタリアのワイン、それもヴェローナを中心に赤も白も20種類以上が並んでいました。驚いたとともに、消えかかっていたソムリエ魂に再び火がついた瞬間でした。
すぐさまインポータや酒販店に連絡。
サンプルを取り寄せて、資料を検討し、スタッフとともにかなりの本数のワインをテイスティング。少しずつ特徴の異なったものを絞り込んでいったのが現在のワインリストです。
 
絞り込んだといっても、ヴェローナだけでも白が12種、赤が12種のトータル24種。その他イタリア以外にも数多く用意させていただいています。
是非お店にお越しいただいて、これら料理にも負けないワインたちを心ゆくまでお楽しみください。
大いに蛇足かもしれませんが、ご要望がありましたら僕の思い出話もご披露いたします(笑)。
 
 
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藤井 稔
『トラットリア アル・ポンピエーレ』シニアソムリエ
 
 

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